本好きへの100の質問


本好きへの100の質問に答えてみました。

 

001. 本が好きな理由を教えてください。

いきなりむずかしいなぁ。好きっていうのは恋愛と一緒で、各論抜きの「総論賛成」ってことでしょう。各論のあれやこれやが賛成で、その総体として賛成っていうことじゃなくて。つまり、個々の理由なんてあげてもしょうがない、ただ好きだから好き、っていうことなんじゃないかなぁ。

002. 記憶に残っているなかで、最も幼い頃に読んだ本は?

絵本を除くと、たぶん『耳なし芳一』だと思う。姉が持っていた子ども向けの文学全集で、ただ文章そのものは、八雲のものじゃなかったでしょうか。挿絵があって、総ルビが振ってあった。とにかく怖くて怖くて、でも琵琶法師という存在にすごく心引かれたのを覚えている。ほんとに聞いてみたかったんです。

003. はじめて自分のお小遣いで買った本を教えてください。また、その本を今でも持っていますか?

たぶん子ども用にリライトしてあるシャーロック・ホームズだったと思う。実家にあります。

004. 購読している雑誌はありますか?

The New Yorker、The Atlantic Monthly

005. 贔屓にしているWEBマガジンはありますか?

ポリロゴス

006. 書籍関連のHPの、どんなところに注目しますか(書評や感想文等々)。

最近、翻訳物も新刊を読まないので、どんなものが出ているか、どんな受け入れられ方をしているかを見ます。

007. 最近読んだ本のタイトルを教えてください。

柳父章 『近代日本語の思想』(法政大学出版会)

008. ベストセラーは読む方ですか?

読みません。

009. 御贔屓は、どんなジャンルですか?

贔屓ですか? そうだなぁ、純粋に趣味として読むんだったら、明治・大正期の日本文学ということになるのかな。

010. あなたは活字中毒ですか?(それはどんな症状としてあらわれていますか)

どうだろう。字だったらなんでもいい、というのが活字中毒なら、そうではありません。

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011. 月に何冊くらい読みますか?

最初から最後まできちんと読む本といったら、せいぜい5冊が限度じゃないかな。
目を通すとか、拾い読みだけなら10冊〜20冊くらい。

012. あなたは本の奥付をちゃんとチェックしますか? するとしたら、その理由は?

します。後々必要になってくるかもしれないので、読後、記録をつけておく。

013. 文庫本の値段として「高い」と感じるのは幾らからですか?

ちくま学芸文庫とか講談社文芸文庫、高いです。そうだなー。1500円超えたら、反則だぁ、って思う。

014. 本は書店で買いますか、それとも図書館で借りますか。その理由は?

本屋にない本は図書館で借ります。あとクソ高い本も。だけど欲しくなると探したり、取り寄せたりしてでも、また買っちゃうんだよねぇ……。

015. あなたは「たくさん本を買うけど積ん読派」それとも「買った本はみんな目を通す派」のどちらでしょう?

「目を通す派」。積ん読なんて、アナタ、そんなもったいないこと……。

016. 行き場に困ったとき、とりあえず書店に入ってしまう。そんなことはありますか?

急に時間があいたら、行くのはまず本屋でしょうね。

017. 馴染みの書店・図書館に、なにかひとこと。

いつもお世話になってます。<All
地元の公立図書館様。
図書館はきれいだし、蔵書数も多い、公立図書館としては相当優秀な図書館だと思います。個人的なリクエストで、ずいぶん本も買ってもらってる。
だけどモーリス・メルロー=ポンティが「メルロ」という検索子でないとヒットしないというのはちがうような気がする(この間、やっと見つけた)。
あと、倫理学の棚に不倫関係の本を並べるのはやめてください。

018. あなたは蔵書をどれくらい持っていますか。

二千は超えないよう、適宜処分してるんですが……。本ってキンギョと一緒で勝手に増殖するんだよね?

019. 自分の本棚について、簡単に説明してください(“小説が多く実用書が少ない”等々)。

専門書と海外文学、明治・大正期の文学、あとは思想書が主なところです。実用書って何?

020. 本棚は整理整頓されていますか。

本棚にある部分は。
床に積んであるのは、獣道ができている。

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021. 既に持っている本を、誤って買ってしまったことはありますか? その本のタイトルは。

それはない。ただ、実家に帰ると父親が買った本、弟が買った本と、家単位で見ると三冊重なっている本が結構ある。

022. 気に入った本は、自分の手元に置かないと気が済まない?

そうですね。図書館で読んでも、やっぱり買ってしまう。

023. 本に関することで、悩んでいることは?

場所をとること。
埃がたまること。

024. 速読派と熟読派、あなたはどちらに該当しますか。

速読もするし、熟読もします。

025. 本を読んでいて分からない言葉があったとき、意味を調べますか?

調べます。

026. 本を読む場所で、お気に入りなのは?

電車のなか。海沿いの路線を走るのは最高。

027. あなたは今、めったに読むことのない分厚い本を前にしています。ところでこの本「すごくおもしろい」という、いつもは信頼できる情報を得たはずなのに、最初の部分がやたらにつまらない。そんなときどうしますか?

我慢して、ひたすら読みます。
長編というのは、作家の呼吸に慣れてくるまで、ある程度時間がかかることが多いので、それはある種あたりまえのこと。相手の呼吸に合わせていると、そのうち(遅くても半分くらいまでには)波長が合ってきます。そうすればしめたもの。

028. 本を読むときに、同時になにかすることはありますか?(例:お茶を飲む、おやつを食べる、音楽をかける)

それはできない。基本的にものすごく集中して読みます。〜ながら、は一切ない。

029. 読みかけの本にはさむ栞は、何を使っていますか?

ただ読んでいるだけなら、ページ数を覚えておけばいいだけなのでしおりは使わない。 必要があって読むときは、必要な場所にポストイットを使う。

030. ブックフェアのグッズを新たに誕生させることになりました。あなたが「これなら欲しい」と思うグッズを考えてください。

そういうものはあまり欲しくない。あ、ポストイットはほしいかも。

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031. 無人島1冊だけ本を持っていけるとしたら、何を選びますか。

やっぱりOEDかな、それとも引用句辞典か。ブリタニカ百科事典というのは反則でしょうね(だいたい一冊じゃないじゃん)。

032. 今、最も欲しい本のタイトルをどうぞ。

最も欲しいわけではないんだけど、黒崎宏『ウィトゲンシュタインから龍樹へ――私説「中論」』はそのうち買おうと思っています。
ほしいって言ったら、中村光夫全集と、吉田秀和全集、ほしいなぁ。それを言うんだったら冨山房のフォークナー全集もほしい。あと…(以下略)

 

033. 生涯の1冊、そんな存在の本はありますか? その本のタイトルは。

まだそこまで本を読んでいないので。

034. 何度も読み返してしまうような本はありますか? その本のタイトルは。

アホほど繰り返し繰り返し読んだのは高校ぐらいまでで、いまは必要がなければ基本的に読み返しはしません。
ただ、内田百閧ニか、小沼丹とか、山田風太郎とか、ときどき無性に読みたくなる本はあるなぁ……。

035. おきにいりの作家ベスト5と、理由をお願いします。

これはちょっと答えられない。5人ではきかないし、理由もひとことで言えるようなそんなものではない。

036. 好きなシリーズ物はありますか?

好きというより、いいかげん止めよう、止めようと思いながら読み続けているのが、ウェクスフォード警部シリーズと87分署シリーズ。ほんと、もう止めよう。

037. 本を選ぶときのポイントを教えてください。

いまはほとんど、情報が白紙のままで本に接する機会がないですね。選ぶ、というより、必要に応じて読んでいく感じ。
それでも、ごくたまに、何気なく手に取った本の冒頭を読んで、恋に落ちちゃうこともないではない。そうして、ほとんど評判にならなかった作者を、自分が見つけて、後に評判が高くなったりすると、ちょっとうれしい。最近ではそんな人にロジェ・グルニエがいます。
結局は自分の野性的な勘ということか?

038. 翻訳小説は、訳者にこだわる方ですか。

こだわるわけではないけれど、やはり見ます。最近は減ったけど、それでもたまに、あ、院生にやらせたな、というのもあるし(そういう人はチェック)、この人が訳してる本なら読んでみようと思う人もいます(コラゲッサン・ボイルは青山南が訳してるから読んだんだけど、大正解だった。若島正が訳してるものも、まず読みます)。あと、なんでも「やさしい」でまとめる某翻訳家(最近はエッセイが多いけど)、この人の翻訳は、ちょっと眉に唾つけて読む。長いことタイトルが誤訳ではないかと思ってたんだけど、若島正が同じことを指摘していて、うれしかったなぁ。

039. 信頼できる書評家は誰ですか?

書評家ってのがよくわからない。研究者や作家、翻訳家や文芸評論家ではなくて?書評だけを専門にやってる人っているんだろうか。
この人が取り上げてる本は絶対読みたい、と思う書き手は何人もいるけれど、純粋に書評というものでもないような気がするし。

040. 絵本は好きですか? 好きな方は、好きな絵本のタイトルを教えてください。

ジョン・バーニンガム『いっしょにきしゃにのせてって』 雨や雪や朝日のなかを走る蒸気機関車の絵がすごいです。ターナーを産んだ国の人なんだなぁ、ターナーってイギリス人にとってはこういう画家なんだなぁ、って思う。

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041. 本は内容を先に読む方ですか、それとも、あとがきから読む方ですか?

よほどの必要がないかぎり、内容から読みます。

042. 読みたいのに読めない本はありますか? その理由は。

M.ハイデッガー『存在と時間』
思考の流れにうまく乗れないから。

043. ノンフィクション作品のおすすめを教えてください。

これもむずかしいなぁ。強いてあげるとすれば、トルーマン・カポーティ『冷血』、ゲイ・タリーズ『汝の父を敬え』、スタッズ・ターケル『アメリカの分裂』(あ、これはインタヴュー集か。だけど、内容的には立派なノンフィクションになってると思う)、アモス・オズ『イスラエルに生きる人々』、ドリス・レッシング『アフガニスタンの風』……まだまだいくらでもあります。

044. あなたの好きな恋愛小説を教えてください。

小説ではないけれど、シェイクスピアの『十二夜』は好きです。あと、これを恋愛小説と読んで良いのかどうか疑問は残るけれど、アン・タイラーの『アクシデンタル・ツーリスト』、あとやっぱり恋愛小説とはいいにくいんだけど、リリアン・ヘルマンが『未完の女』や『ジュリア』(邦題)のなかで書いているダシール・ハメットの思い出には、どんな恋愛小説よりも恋愛を感じてしまう。あとはリチャード・パワーズの『ガラティア2.2』かな。

045. 泣けてしまった本を教えてください。

そうだなー、割とホイホイ泣くんですよ。ここらへんの持っていき方がうまいなー、とか頭のなかで分析しつつも、落としどころで泣いちゃう。泣きながらも、チクショー、やられたなー、まんまとはまったなー、なんて思ったりして。いまパッと思いだすのは、上でもあげた『ガラティア…』かな。

046. 読んでいるだけで、アドレナリンが分泌されてくるような本は?

テリー・イーグルトンの本はなにを読んでも、走り出したくなりますね。
この間も『イデオロギーとは何か』を読んで、ヒンズー・スクワットしたくなった(含嘘)。

047. もう2度と読みたくない本は、ありますか?

『隣の家の少女』
大場正明さんのサイト(『郊外の憂鬱』)で紹介してあったから読んだけど、ゴミだった。口にするのも穢らわしい。

048. 良くも悪くも「やられた!」と思った本はありますか?

トマス・ピンチョンの『競売ナンバー49の叫び』
あと、リチャード・パワーズの"Operation Wandering Soul"。心臓をわしづかみにされたみたいな、ほんとうに読んでて息苦しくなった。

049. 読む前と読後感が違っていた(食わず嫌いだった)本は?

あんまり先入観は持たない方です。
ただ、明らかに読む気になれない種類の本は、まず読まないし、なんとなくわかるから手に取ることもない。読んでみて、ああ良かった、なんでいままで読まなかったんだろう、という経験は、たぶんないんじゃないかな。

050. 子供にプレゼントしたい本のタイトルを教えてください。

人に本をプレゼントするのはむずかしいと思います。子どもだとなおさら。
一般的に言うことはできないし、そういうことをしていいのかどうかもわからない。

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051. お気に入りの出版社と、その理由を教えてください。

むずかしいな。最近は本屋でまず見に行くのはちくま学芸文庫の棚かな。みすず、白水社、だけど一昔前の晶文社みたいに、ああ、ここが好き、って思える出版社はいまとくにないです。

052. それでは苦手な出版社は? その理由を教えてください。

これもとくにない。ビジネス書とか啓蒙書を出してる出版社なんて名前も知らない。

053. この本で読書感想文を書いた、という記憶に残っている本はありますか? あれば、そのタイトルは?

中学三年のときに、小林秀雄の『モオツァルト』で書いたことがあります。
なんでそんな無謀なことができたのか、いま考えると恐ろしい……。

054. 装丁が気に入っている本を教えてください。

うーん。いっぱいありすぎるなー。
みすずから出ているE.M.フォースター全集、金無くて、二冊しか持ってないんだけど、深い緑色のクロスが、もー、よくてよくて。贅沢な気分になります。
最近読んだ本で記憶に残っているものといえば、『戦争と建築』の表紙は良かった。
あと、中を読みながら、表紙を繰り返し繰り返し眺めたといえば、パワーズの『舞踏会へ向かう三人の農夫』でしょうね。

055. あなたは漫画が好きですか?

好きか嫌いかといえば、好きでしょう(ここ十年くらいまともに読んでないけど)。

056. お気にいりの漫画家ベスト5と、好きな作品について教えてください。

楳図かずお『漂流教室』、山岸涼子『日出処の天子』、大友克洋『童夢』、鳥山明『ドラゴンボール』、大島弓子のサバ・シリーズ(ほら、昔のばっかり)

057. サイン本を持っていますか?(タイトルと作家名は?)

持っていません。

058. 持っているのを自慢したい。そんな本はありますか?

古本屋で買った本に表紙の絵を描いたイラストレイターの手紙が挟んであったことがあります。初めてのメジャーな仕事だったみたいで、短いけれど、興奮した、うれしそうな自筆の手紙でした。本も読んだあとがないし、贈呈本を中も改めずにそんなふうに古本屋に出すなんてなんだかなぁ、と義憤にかられたのですが、代わりにわたしが自筆の手紙ともども、大事にしています。

059. 東・西・南・北……漢字を選んで、浮かんだ本のタイトルを書いてください(実在する書名に限ります)。

『西方の人』芥川龍之介
『北の海』井上靖
『東方見聞録』マルコ・ポーロ
『南方熊楠全集』(これは反則か)

060. 短編小説集を買ったら、全部読みますか? それとも、その中から気に入った作品しか読みませんか?

全部読みます。そんなもったいない……。

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061. 憧れのキャラクターを教えてください。

小沼丹の大寺先生

062. 印象的な女性キャラクターを教えてください。

ポール・セロー『写真の館』の主人公、モード・コフィン・プラット
ティモシー・フィンドリー『嘘をつく人々』のヴァネッサ・ヴァン・ホーン

063. 印象的な男性キャラクターを教えてください。

伊藤整『得能五郎の生活と意見』の得能五郎
アン・タイラー『アクシデンタル・ツーリスト』のメイコン・リアリー

064. 先生といえば?

『こころ』の先生

065. 探偵といえば?

金田一耕助かなぁ。
巨勢博士もかわいいから好き。

066. ベストカップル、ベストコンビといえば?

リリアン・ヘルマンとダシール・ハメット

067. 本に登場する場所で、行ってみたいと思うのは?

アイザック・ディネーセン『アフリカの日々』の舞台であるンゴング丘陵

068. 子供の出てくる作品といえば?

トルーマン・カポーティ『誕生日の子どもたち』
シャーリー・ジャクスン『野蛮人との生活』

069. 動物の出てくる作品といえば?

二葉亭四迷『平凡』
『アクシデンタル・ツーリスト』の犬も、胸が痛くなる。
ジョージ・オーウェル『動物農場』(これは動物じゃないね)

070. これまで出会った中で、もっとも感情移入できたキャラクターは?

読むときに感情移入はしない。ナボコフの『ヨーロッパ文学講義』を読む前からそうだった。

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071. 本の登場人物になれるとしたら、誰(何)になりたいですか?

自分以外の人間になれるとは思わないので、あまりこんな仮定はピンと来ません。かなり小さいころ(小学校の低学年のころ)は『若草物語』のジョーにあこがれた(だけどつまんない男と結婚しちゃうんだよね)。

072. 夢中になった作家、現在進行形で夢中な作家の名前を教えてください。

夢中、っていうのがよくわからない。
好きな作家ならたくさんいますし、その「好き」の質も、確かにひとりずつ微妙にちがうんだけど、だれも「夢中」っていう感じではないなぁ。
ダメなところも、よくわからないところもひっくるめて、その人間まるごと好き、彼の抱えた痛みや苦しみを、できることなら共有したい、という感じで好きな作家に二葉亭四迷がいるんですが、これも夢中、っていうのとはちがうなぁ。

073. 1日だけ作家になれるとしたら、誰になりますか。

一日だけなってもしょうがない。

074. 編集者になるとしたら、どの作家の担当になりたいですか?

  どの人もいやだ。

075. 好きな作家に原稿を依頼するとしたら、どんな作品を希望しますか。作家名とジャンルを教えてください。

そんな畏れ多いこと、できません。書いていただけるだけでありがたい。

076.「あの作家に、これだけは言いたい」……ひとことどうぞ!

漱石様。『明暗』は書き上げてほしかったです。

077. 紙幣の肖像、私ならこの文豪を選ぶ!

考えたことないなぁ。紙幣は紙幣でしょう。額面が問題なのであって。

078. 文章と作家のイメージが違っていた、そんなことはありますか? 

質問の意味がわかりません。作家のイメージって文章から作られるものではないのですか。

079. あなたにとって、詩人といえば。

これもちょっと答えられない。ディラン・トマスの朗読にはしびれるし、全然傾向の違うW.オーデンも好き。もちろん、田村隆一も、鮎川信夫も、大岡信や谷川俊太郎も好き。言い出すときりがない。

080. 家族……この単語から連想した本のタイトルを書いてください(実在する書名に限ります)。

アン・タイラーの『ここがホームシック・レストラン』とアニタ・ブルックナーの『結婚式の写真』これは偶然同時期に読んだのだけれど、アメリカとイギリスの家族のちがいがものすごく鮮明で、印象に残っている。 あとはやっぱり『ブデン・ブローグ家の人々』かなぁ。チェホフの『桜の園』も。

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081. 本を捨てることに抵抗がありますか?

あるけれど、捨てないとしょうがないときは、エイヤッと捨てます。だけど、捨ててある本を拾ってきたりもするんだよね……(昔の旺文社文庫がゴミ捨て場にあったときはもううれしくてうれしくて……)。

082. これだけは許せない、そういう本の扱い方はありますか?

図書館の本に線を引くこと。しかもそれがピンぼけのところにマーキングしてあったりすると、死にそうな気がする。

083.“活字離れ”について、どう思いますか?

読みたくない人は、読まなければいいと思います。

084. 本を読まない人のことを、どう思いますか?

読みたくない人は、読まなければいいと思います。

085. とりあえず、本を持っていないと落ち着かない。そんな癖がありますか?

これまでの人生のなかで、なにも読むものが手元にない、という経験が二度だけあります(どちらも読み終わってしまった)。そのときの、地獄のような苦しみは二度と味わいたくありません。

086. 世界中で、本の出版が禁止されたら、どうしますか?

おそらくこの質問はオーウェルの『1984』的世界が出現したら、という意味だと思います。
そういう独裁政権というのは、一昼夜にして現れるものではありませんから、その前に何らかの対策を取ると思います。
また、政治体制の整っていない発展途上国なら、軍事独裁政権が登場する可能性はあるでしょうが、世界規模で出現する可能性は、限りなく低いのではないかと思います。ということで、この質問の前提に無理があると思います。

087. 青空文庫を利用したことがありますか?

あります。

088. 電子図書館についてどう思いますか?

便利ですが、読みにくい。集められているものも少なすぎます。

089. 将来的に、本という存在は無くなると思いますか?

思いません。

090. 本が無くても生きていけると思いますか?

本という媒体がなくても、たとえば、現行のものよりもっと広範で体系的な電子図書館があれば、それを読んでいくと思います。ただ、文学書や思想書、評論、そのほかありとあらゆるものが、どういう形であれ読めなくなったとしたら、そのような世界で生きていたいとは思いません。

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091. この人の薦める本なら読んでみたい、そう思う有名人を教えてください。

著名人? 作家や評論家や研究者や翻訳家じゃなくて?
作家や研究者、評論家や翻訳家ならたくさんいますが、それ以外の有名人だったらどうかな。あ、映画監督は知りたいですね。たとえばデヴィッド・フィンチャーがどんなものを読むのか、すごく興味がある。

092. 映像化してほしい本はありますか?

映像と本は別物だと思っています。その監督の解釈に興味がある人は何人もいるけれど。

093. テレビ化・映画化で成功したと思う作品を教えてください。

映画化というのではないのですが、『ニューヨーク・ストーリー』のなかで、スコセッシが監督した『ライフ・レッスン』という作品があります。ジャクスン・ポロックをモデルにしたニック・ノルティ扮する画家が、巨大なキャンバスに絵を描く。実際に描いていくんですが、それがほんとうにすごい。アクション・ペインティングってこういうもんなんだ、と胸を衝かれた記憶があります。もちろん画家がほんとうに描くところの一種の再現なんだけど、それでも感動した。目で見る、というのはすごいものだと思いました。

094. 本の中に再現したいと思う(実際に再現した)場面はありますか?

この質問は、印象的な場面を文章化して読んでみたい、ということなのかな。
どうなんだろうなぁ。たとえば、芭蕉が現在の奥の細道をたどって、どんな文章を書き、どんな句を残すんだろう、といった意味での「読んでみたい」なら、いくつかあるけれど。

095. あなたにはどうしても読みたい本があります。その本は既に絶版・品切。さあ、どうしますか?

まず検索して、あらゆる図書館と古書サイトを徹底的に当たります。古書サイトで見つかれば、即買い、図書館にあれば、なんとか取り寄せてもらう手はずを整え、コピーします。それでなかったら、翻訳物なら海外サイトを探してオリジナルを探す。それで見つからなくても、執念深く折に触れて検索したり、古本屋に探して貰うようお願いしたり……。まぁどうにかなるもんです。

096. 本という存在に対して、文句はありますか?

「存在に対して」という意味がよくわからないんだけれど。
ともかく、本を読んだから、いまのわたしがあるのはまちがいないところだし、自分を形作っているものは数多の本といっても過言ではないでしょう。だから、文句はありません。

097. 心に残っている言葉・名台詞は?(原典も明記してください)

いくつもあるけど……。
ひとつだけあげるとしたら
「あたしたちの仕事は、舞台で演じていようと、ものを書いていようと同じこと、この仕事の肝腎かなめは名声ではなく、輝きではなく、あたしが空想していたようなことではなく、堪え忍ぶ能力なのよ。おのれの十字架を運べるようになれ、そして信ぜよ。あたしは信じていますからそれほど苦痛ではありません。そして、自分の使命について考えるとき、わたしは生活を恐れません」(チェホフ『かもめ』)

098. あなたにとって、本とおなじくらい蠱惑的なものは何ですか。

なんだろう。映画だったり、音楽だったり、絵だったり、写真だったり、書だったり、演劇だったり。

099. 出版業界にひとことどうぞ。

最近、本の寿命が短すぎます。ちょっと前の本は、品切れ、絶版とあっという間に手に入らなくなってしまっています。新たに出版される点数が多いのはわかりますが、もう少しそのサイクルをゆっくりとしてほしい。ある程度、採算を度外視する部門があってもいいかと思うんですが、そういうのはやっぱり無理かなぁ……。

100. つまるところ、あなたにとって本とは。

快楽。


Dec.11,2004